【感想】買替!液タブ wacom Cintiq Pro が快適だった話【デジ絵初心者も必見】

それは11月初旬のこと──。

始まりはこのツイート(ポスト)でした、こんにちは藤咲です。

沙

ちなみに、結局は夫のペンタブもドライバのインストールに手こずって使用できず……

ふじ丸
ふじ丸

買い替え一直線にゃ……

というわけで、どうにもならないためすぐに電気屋さんへ走りました……。

悩んだうえで、購入したのはwacom「Cintiq Pro 16(2021)」という液晶タブレット。

今回はペンタブの知識や購入した商品の性能、使用した感想などを、イラストを交えながらまとめていく記事となります。

・板タブと液タブの違いそれぞれの良さがわかる!

・wacom社員さんによる推しポイントがわかる!

・実際に絵を描いてみた使用感がわかる!

・価値観によっては注意すべき点(デメリット)がわかる!


この4点が中心になっていきますので、今まさに買い替えを検討されてる方の参考になれば幸いです。

目次機能もぜひご活用くださいね。


*情報はすべて2024年11月現在のものとなります。ご留意ください!


板? 液晶? ペンタブレットの種類とその歴史

もともとデジタルイラストを描かれている方にとっては今更かもしれませんが、簡単にまとめてみます。

もしも「これからデジ絵を始めるよ!」という場合、ちょっとした豆知識くらいに知っておくとより楽しいかと思います!

別にいいかなって方は飛ばして次の項目へGO!

最初に登場したのが板状の形式

藤咲が使用していたタイプの板タブ。こちらもワコム製です。

いわゆる「板タブ」といわれるこのタイプ。
PCに繋ぎ、タブレットの上でペンを動かすことでその情報がPCの画面に表示される仕組みです。

このような形の基礎を生み出し、1983年の創業以来国内外で高いシェアを誇っているのが、株式会社ワコムなんですね。

なんとなく「このジャンルで知ってるメーカーはwacom」くらいに思っていましたが、業界を切り開いた企業であるなら知名度も納得です。

液晶タイプの登場以降も愛されているシリーズです。

液晶タイプの登場は2001年から

今回購入した液タブはこんな感じ。立派なモニタ……。

一方、通称を「液タブ」と呼ばれるタイプは、板タブよりも本体そのものにコンピュータみがあります。

名前の通りタブレットそのものに液晶パネルが搭載されており、ペンでタブレットの液晶画面へ直接描き込む仕組みとなっています。

スマホの画面に指で描けるアプリをイメージされると近いかと。

2001年の発売以降、液晶パネル上でもペンが動かしやすくなる等の様々な改善がみられ現在に至ります。

【私見】初めて買うなら板タブと液タブ、どっちがいい?

液タブの登場により、アナログで描く感覚に近いことから「初心者には液タブ!」という紹介もよく見かけるようになりました。

確かに板タブだと“線が表示される場所”と“実際にペンを動かしている場所”が離れているため、使い慣れるのにはかなり時間がかかります

板タブのメリットとデメリット

■メリット
・1万円を切る種類も多く、安価
・自身の手で絵が隠れることがない
軽量で片付けるのが楽

■デメリット
・描き位置と表示位置の違いに中々慣れない
・実際に表示される線にズレが生じやすい

液タブのメリットとデメリット

■メリット
・アナログに近い感覚のまま描ける
細かな描き込みもやりやすい
・PCと異なる画面表示でデュアルモニタにもなる

■デメリット
価格が高価で気軽に買えない(4万以上)
・描いている手で絵が隠れてしまう
重たくて場所をとりやすい

結論:初めて買う学生は安価な板から、余裕のある社会人/プロを目指す人は液晶から!

完全に私見にはなりますが、藤咲はそのように感じます。

デジタルイラストを始めるにあたって

①気軽に試してみたい
②合わなければアナログのみにする予定
③高校生等、学生で資金に余裕がない


これらのような前提を持つ方には板タブのエントリークラス(初心者向けモデル)からチャレンジするのがよいのではないでしょうか。

1万円以下なら比較的手を出しやすいですし、何より「タブレットは消耗品」です。
続けていくなら必ず買替えの時期が来ます。

中高生の頃に無理して高価な液タブを買うよりも、まずは板タブで慣れつつ資金を貯めておけば、いざ買替えたい時に選択肢が広がります!

逆に、以下の前提を持つ方には液タブからスタートしてよいと思います。

①社会人等、好きな物を買う余力がある
②板タブに慣れる時間を節約したい
③プロを目指すなど、最初から本格的な道具を使いたい


経済力は大事ですね……。
重ねて言いますが「タブレットは消耗品」なので、今後も続けていく場合には液タブを更新していけるかという長い目も必要になってきます。

板から液晶は簡単でも、液晶から板はツラい。




とはいえ、最終的には個人の好みがものを言うというもの。


「うるせー! 金ならある、欲しいもんを買うんだ!!」


なんてマインドも全然アリだと思います!

結局はコレ。今後も見据えつつ予算は守ろう。

Cintiq Pro 16(2021)の基本性能

お待たせいたしました!

まずはプロフィールのごとく性能を一覧にしていきますね。


■PR■

製  品  名 :Wacom Cintiq Pro 16
型    番:DTH167K0D
外 形 サイズ:410×266×22mm
パネルサイズ:15.6型/16:9
       (344×194mm)
色    域:Adobe RGB 98%
質    量:1.9kg
最大 解 像 度4K(3840 x 2160)*1
対    応
・Windows 7以降(最新のSP適用)/ Mac OS 10.14以降
・ディスプレイポートオルタネートモード対応USB Type-Cポート1またはHDMIポート(UHD対応)と USB-Aポートを標準装備したコンピュータ
・インターネット接続*2

標 準 価 格:¥217,800 (税込)


*1. 最大表示解像度で表示するには、コンピュータ/グラフィックボードがこの解像度をサポートしている必要があります。
*2. タブレットドライバと電子マニュアルのダウンロードにインターネット接続が必要です。

参考:wacomホームページ/製品ガイド(PDF)


1.9kgとまあまあな重さ。板タイプと違い最早コンピュータであることがよくわかります。
お米2kgと同等ですね。

ちなみにCintiq Pro 16はプロフェッショナルモデルの中で最も安価な機種となります。



余談ですが……
液タブとPCを接続するためのケーブルをきっかけに、自分のPCがtype-C端子に対応していることを知りました。驚き。

(Cが無くてもAが挿せれば大丈夫!)

wacom社員さん推しポイント 3選と、デメリットになり得る点

デジタル絵を始めて15年以上の藤咲ですが、ペンタブ購入が実は初めてだったので……

売り場に来てもサッパリわからない。


店頭デモ機の板タブで描いてみても……

使用中のものと世代差がありすぎるのか、手の感覚が馴染まない。


液タブは触ってみると楽しいけど、知識がなさ過ぎて1から10までピンとこない!

だって初めてのペンタブ、お下がりだったから……。


何をどうして選べばいいのか困り果てていたところ、売り場を担当されていたwacomの社員さんに声をかけられました。

電気屋さんで時折出会う、メーカーからやって来たガチ担当の方ですね。

社員さん
社員さん

先ほどから随分悩まれているようで……よろしければご案内しましょうか?

沙久
沙久

(見られたのね……)
板はあまり置いてないようですが、今って液タブが主流なんですか?

社員さん
社員さん

板タブが古い、というわけでは決してありません。好みもありますしね。
ただ、液タブが主流になってきているのも本当ですよ。

沙久
沙久

今まで板タブだったのと、液タブは高級品というイメージがあって……
でも今買い替えるなら思い切って液タブなのかなという思いもあります。
仕事で使用するので尚更……。

社員さん
社員さん

お仕事でしたら性能も重視したいですものね。
液タブ自体初めてとのことなので、ぜひご説明させてください!


そこで、ちょうど藤咲が試し描きをしていたCintiq Pro 16を中心にお話を聞くことになりました。

①wacom自慢の液晶!Cintiq Pro 16はここが違う

ON-OFF自由なタッチ機能

ミドルクラスモデルまでは搭載されていなかった、タッチパネル機能
まさにスマホのような感覚ですよ。

ちょっとした拡大や回転を、ペンは動かさないまま絶妙なさじ加減で出来るのです。

他、藤咲は左手でパッとツール選択したりもしちゃっています。

社員さん
社員さん

今はあると困る……という時にはこのスイッチを切ればいいんです!

沙久
沙久

か……簡単!!

紙の描き心地へ近づけた程良いザラつき

「アナログに近い感覚で描ける」──それは直接描き込んでいるからだけではありません。

いわく、この機種の液晶には“紙に描く時の質感”をイメージして開発された特殊フィルムによって加工されているそうなんです。

指で撫でるだけでは感じられないくらいナチュラルで、なのにペンだと程良いザラつきが伝わってくる。
ザラザラ過ぎない絶妙な摩擦感です。

社員さん
社員さん

専用の画面保護シートもあるんですが……正直、それを貼るのはもったいないと個人的には思います。

沙久
沙久

質感が損なわれてしまうんですね。
でも……液晶パネルって傷つきやすくないですか?
直接描く分、そこが心配です。

社員さん
社員さん

それが……大丈夫なんです!!(カッ

説得力しかない画面強度

社員さん
社員さん

隣にあるデモ機をご覧ください。

並べて置いてあったのは、とあるミドルクラスの機種で2019年(5年前)発売のもの。

2021年発売のCintiq Pro 16(2021)とは2年差ですね。

そちらももちろん良い品質ですが、やはり液晶のグレードはCintiq Pro 16が優位とのこと。

それを証明するのが──傷み具合

社員さん
社員さん

デモ機は発売日から毎日、それはもう毎日、ものすごい人数が試し描きをしています。

沙久
沙久

私もその一人ですね。
なんなら不慣れで力加減がわからず強く描いてしまう方もいそうです。

社員さん
社員さん

5年間置いていて、仕方ないことですがペン跡が白くたくさん残ってしまってますよね……。
では、もう一度Cintiq Pro 16を見てみましょう。

沙久
沙久

あれ……?
ぜ、全然跡がついてないですよ?!

社員さん
社員さん

Cintiq Pro 16は置いて3年ですから、もちろんその差は考慮すべきですが……その上でこの綺麗さはスゴいですよね!


3年間、下手したら購入者より多く描き込まれ続けてほぼ傷んでいないパネルの何と心強いことか。

傷み具合の差は、ミドルクラスとの世代差である2年を踏まえたとしても大きい、と感じられました。そのくらい違ったのです。

3年間傷つかないという保証があるわけではありません。

②2021年にリニューアルを経験、その支持の厚さ

“Cintiq Pro 16(2021)”という表記でもわかるように、2021年にリニューアルされたモデルなんだそうです。

最初のCintiq Pro 16は2017年発売でした。

社員さん
社員さん

実は、僕が今使っているのもこの初期モデルでして……。

沙久
沙久

長く愛用出来る実例ですね~!

どんどん新機種が登場していく中、同モデルをリニューアルという形で再発売されるとは、なかなかに根強い人気が伺えますね。

③同人誌印刷にも優しい?! Adobe RGB 98%!

Adobe RGB 98%の色精度、これってなんですか? と聞いてみました。

社員さん
社員さん

画面表示と印刷の色味って、越えられない壁があるじゃないですか……。

沙久
沙久

(実感がこもってる声だ……)

社員さん
社員さん

98%という高い精度を以て、その差が縮まるんです……!

沙久
沙久

マジっすか。

RGBとCMYKの壁が低くなる……?!
まったく同じは不可能ですが、近づけるなら表紙イラストを描いた際の誤差も減るというもの。

これに関しては店員さんの言葉のみで実践出来ていないため具体例は示せませんが、推しポイントには違いないそうです!

人によってはデメリットも──後継機の存在

社員さん
社員さん

ここからは価値観の話になります。

発売からすでに3年ということもあり、最新機種ではいのはもちろんです。

そして昨年(2023年)にはリニューアルでなく後継機種として、Cintiq Pro 17が発売されました。

新しさの最もわかりやすい利点は、サポートを受けられる期間の長さではないでしょうか。


では後継機種の方がよいかどうか、そこが価値観に左右されると店員さんは言います。

・世代差は2年
→サポート期間の差として長いと感じるか、許容範囲か

・まだ16が劣るレベルでは全くない
→その上でグレードアップを求めるか否か

・価格差が約15万円(17のが高価)
→上2つの選択を埋められる価格か否か

沙久
沙久

私はこの「価格差15万」が大きかったです。予算としても、そこまで出せないな……という気持ち。

社員さん
社員さん

いやホント、この上がり方は中々ですもんね……わかります。


どこに重きを置くか、どこまでが許容範囲か。
それをもとに選ぶことが大切ですね。

総合的な見解としては「推せる」

社員さん
社員さん

僕の個人的な意見としては──
今、この機種が“買い”ですね。


ミドルクラスとの差別化が明確な高い機能性

後継機種にも引けを取らない内容なのに、入手のハードルで言えば勝利する価格帯

こんな条件でありながら、どうしても後継機種がある分逃れられないのが販売の終了です。

社員さん
社員さん

正直な話、惜しい逸材ですから。
終了となってしまう前にぜひ手に入れて頂きたい“推せる”商品です。

沙久
沙久

自分の求めているものと照らし合わせてみても、この子が良さそうです。とても参考になりました。
ありがとうございます!

ありがとうお兄さん!


この後、買うのは自分ですがまあまあ高い買い物なので一応夫へ相談(電話)するというやりとりもありました。
ええんちゃう?とのことでした。よし。

さっそく使ってみた描き心地

こちらが液タブで初めて描いたイラストです!

良かった点──全面的に描きやすい

率直な意見として、描きやすい早く描けますね……!

いつも「何度も納得いく線になるまでやり直し」していた輪郭も、スッと描けたのがたいへん大きかったです。

個人的に、手書きの文字が格段に書きやすくなったなぁという感動もあり。

あとは拡大が最小モーションで出来るからなのか、細かい箇所を塗りやすかった印象。

程良いザラつきもありつつ、滑らかに描き進められる感触がちょっと癖になりそうです。

今後対応が必要な点──液晶ならではの内容

これは仕方ないんですが……
今まで板タブだった分、どうしてもありました。

自分の手がちょっとだけ邪魔!(笑)


他、これまでショートカットキーで呼び出してたツールをどう出せば?と最初は戸惑いましたね。

今はひとまず画面上にツールパネルを表示する手段を見つけたりして、順応を進めています。

まだまだ新しいマシンへの理解が浅いですから、勉強してより使いこなしていく必要がありそうです。楽しい。

壊れる前に買替を検討しよう

本当にそう

冷蔵庫や洗濯機と同じ感覚で考えていたいものですね……。

前から不調は感じていたんですが、まあいけるやろと高をくくっていました。いけなかったので一週間絵が描けませんでした……。


最近は締め切りのあるお仕事も少し進めているので、その期間じゃなかったことが唯一の救いです。


不調を感じた段階で、じっくり商品を調べて検討を開始するのがオススメです!


まとめ

「いかがでしたか?」と聞いたとすれば、きっと「超大作でしたね」なんて返されるに違いない。

買った翌日から書き始めて、終わらなくて終わらなくて、これほど時間がかかるとは思わなかったってくらいたくさん書きました


ここまで頑張れたのも、読んでくださる方々の「参考になりますように!」という強い気持ちがあるから。

少しでもお役に立てれば幸いです!


ここまで読んで頂き、ありがとうございました!

■PR■

ではでは。
藤咲でした。

いいねを押してもらえたり、X(Twitter)等で記事の共有をしてもらえたりすると大変励みになります!

コメントしてみませんか?

タイトルとURLをコピーしました