お久しぶりの作品紹介回です、こんにちは藤咲です。
たまには藤咲が小説も書いてることを告知しておかねば…なんて気持ちもありつつ。ようやく第三弾を公開するに至りました。
▲前回までの紹介はコチラの記事から!
今回は短編集なので、ひとつひとつは簡単に全体を見ていきたいと思います。
もちろん、描きおろしイラストも多数ご用意しましたよ!むしろ初めてのイラスト化キャラも多いような……?
『君とソラが泣いた日に』とは?

■基本情報■
価 格:800円(税込)
サ イ ズ:文庫
本 文:104P
表紙タイプ:カバー
☆カバー裏漫画有り
購 入 先:BOOTH
構成と印刷会社変更による変化
表題作を含む五編から成る今作は、それぞれサクッと読める短いお話になっています。
少女漫画のような胸キュンからコメディタッチ、切ないものまで……若者たちがそれぞれに一生懸命恋をしている物語集なのです。

前回までと大きく変わったのは、表紙がカバー仕様+帯も発注出来るようになったこと。
文庫本らしくなり始めた第一歩ですね。
これによって憧れの「カバー裏漫画」を実装することが出来ました!!
(小説としては珍しいですが)
内容は表題作の後日談となるので、ここでは内緒にしておきます。さあ、いったい彼は何を強制されているのでしょう……?
この後はお待ちかね、各話のあらすじ・キャラ紹介、そして裏話について触れていきたいと思います。
『君とソラが泣いた日に』(表題作)

あらすじ・キャラ──王道学園青春モノ
同じ高校、同じ学年、同じ部活。
そうやって偶然出会えた奇跡も、卒業とともに無かったことになってしまう。
想いを告げるなら今のうちに。
だけどこの距離感が壊れるのは恐い──
モヤモヤとした気持ちを抱えたまま二年生の夏を迎えた辻井 柊平は、人懐っこく明るい中森 空に片想いをしている。
そんなある日、あと一年以上はあるはずだったタイムリミットが唐突にやってきた。様子のおかしい空に柊平がかけた言葉とは……。
学生時代のじれったくも微笑ましい甘い恋愛模様が詰まった表題作。
ここだけの裏話「リアル文化祭号作品」
この作品を最初に書いたのは、実は遠い昔の高校生だった頃。まさに本編通り文化祭用の部誌に掲載された小説でした。
文芸部ではなかったんですけどね。
ただやっぱり当時の文章では荒いところも多く、滑らかさに欠ける点が気になっていて。お気に入りでもあった分、思い切ってブラッシュアップに踏み切ったのです。
一番苦労したのは「高校は転校出来るのか?」を調べることでした。フィクションだと普通にある展開ですが、時期も半端ですしどういう仕組みで可能なのか裏どりに奔走しましたね……。
その結果が、ほんの一言ですが新規のセリフとしてきちんと反映されてたりします。
『真田くんは弟ができる予定(つもり)です。』

あらすじ・キャラ──微笑ましい片想い
男子高校生の真田と広末は十年来の親友だ。いつも遊びに来ていることで、真田は祖父母も含めた広末家の面々とすっかり親しくなっていた。
その中で憧れてやまないのが、親友の姉である宮陽さんだった。天使のような存在と神聖化しつつ、いつかはお嫁さんに……なんて夢を抱いている。
大好きな広末家と宮陽さんへの中華街土産を真田が持参することで始まる、親友二人のほっこり会話劇。
ここだけの裏話「パンダ氏は実在した」
かなりライトなタッチの作風でお送りしたこちらのお話。宮陽への土産として登場する、英語を喋るパンダ氏。実際に店頭で出会った商品なんですよ。
初めて神戸の中華街へ遊びにいったときに露天で見つけ、購入こそしなかったのですが非常に印象深い子だったのです。
当時、友人とともに広末のごとく「なんでやねん」とツッコミを入れたのが懐かしいです。その理由はぜひ本編でお確かめください!
『share temprature ~ぬくもり~』

あらすじ・キャラ──どこか切なく、でも温かい
「……ユキノ? ユキノだよね」
季節は知らぬ間に巡り、秋。
いつか二人で歩いた紅葉のトンネルの下、ユキノとキヨハルは偶然の再会を果たす。
日々に忙殺され、挫け、空を見上げることすら忘れていたユキノは、同じように疲弊している様子のキヨハルとの対話から「自分がまだ死んではない」ことをようやく思い出していた。
子供らしく高い体温を帯びていたあの頃、お互いが温めあっていたことも、繋いだ手を離し熱が失われたことも認識出来ていなかったと気づくユキノ。
冷えた指先を実感しつつも、今更何を言えばいいのかと惑う視線を、キヨハルが真っすぐに捕らえた。
冬と春は、正反対。
大人になった今、二人はその言葉に異なる意味を見出せるのか。
ここだけの裏話「文章力が追い付くまで長くかかった作品」
こちらも最初に考えたのは高校生の頃だったように思います。形にはしたものの、どうしても書きたいものをまとめられた気がせず、ずっと温めていました。
読み返す機会は何度かあり、その度に“書ききれていない”違和感を覚えていたのです。
短編集を作るにあたり、ふとこの作品を思い出しました。五年ほどの月日を経て挑戦した加筆で、ようやく得られた納得感がとても嬉しかったです。
そして、製本からさらに五年が経った今。この記事のために改めて読み返し、新たに加筆したい欲がうずいています。
『恋はいつから始まるか』

あらすじ・キャラ──予感ときめく淡い想い
伯母夫婦が結婚する際、どちらの苗字にするか揉めたらしいというエピソードから物語は始まる。
その経緯をもとに配慮した結果つけられたのが主人公の名前──のはずだった。
「名前が理由で振られるなんて……僕の恋は生まれたときから終わってたのか……」
肩を落とす中学生・駒沢 恭が想いを寄せるのは、クラスメイトの駒澤 京。夫婦のようだとからかわれた彼女はほぼ同姓同名なんて嫌と拒絶をしてみせたのだ。
もともと積極的な性格でないこともありすっかりタジタジになっていた恭だが、文化祭の打ち合わせ中、名前がきっかけで彼女へ助け舟を出すこととなる。
──僕しかいない。同じ名前の僕なら。
この恋はスタートを切れるのか。
それともすでに、始まっているのか。
ここだけの裏話「苗字戦争、お待ちかねの回答がここに!」
冒頭からさっそく出てくる名前、琴子と俊介。これは前作『我らのネーム・ウォーズ』で結婚後の苗字をどちらに統一するのか揉めていた二人の名前。今作では主人公の伯母夫婦にあたります。
本編では明かされていなかった“勝者”が、なんと作中から判別出来るようになっているのです。
俊介氏がなんだかんだ琴子に弱いところから「琴子が勝ちそう」という声が多かったのですが、果たして……?
この作品でのみ公開された結末を、ぜひご確認頂きたいです。
ところで「佐野奈々美」に覚えがある方も……ちょっと楽しいかもしれません。
『広末くんは兄をつくる予定(つもり)です。』
あらすじ・キャラ──胸に秘めた禁断の恋
男子高校生の真田と広末は十年来の親友──そう、これは『真田くん』の続編にあたる物語。すぐ直後のやりとりだ。
語り手は広末へとバトンタッチし、先ほどまでの能天気な雰囲気とは少々異なる。広末の、真田と姉のそれぞれへ向けられた思いが明らかになるからだった。
決して口にしないと決めた恋心を隠し、広末は親友に強く願う。
“早く、おれの兄ちゃんになってよ”、と。
ここだけの裏話「作者は三部作にする予定(つもり)でした」
二作品を通し、真田から見た広末と宮陽、広末から見た真田と宮陽が語られ……それなら最後は宮陽が主役でしょう!
実を言うとそんな構想もありました。
タイトルは確か『広末さんは弟をふやす予定(つもり)です。』とか、そういう感じで考えてたかな……姉よ、何する気なんだ。
ただ宮陽自身の胸中を紐解くのは、この二作に対し不要じゃないかと思い直し、これにて完結となったお話でした。
みんな幸せになってほしい。
こちらもLINEスタンプ展開あり!

これまでの記事でもご紹介しましたLINEスタンプ「【王様の耳】キャラクターズ」。
全32個のうち『君とソラが泣いた日に』からは8個登場しています。
登場は表題作のみなのでご承知おきください……!
ほぼ作中のワンシーンでありながら、非常に普段使いしやすい内容となっています!
商品ページはコチラ▼
【王様の耳】キャラクターズ/LINE
最後に
改めて振り返ってみて、今回はリニューアル作も多かったため重ねて懐かしい気持ちとなりました。
短編集のために執筆した完全書き下ろしは『恋はいつから始まるか』だったので、最も2020年当時の書き方が色濃く出ている作品がそれですね。
言葉や行動の回収がよく見られます。
微笑ましさが勝つ若者たちの淡く甘い青春を浴びたい方に、ぜひオススメしたいです。
ご購入はコチラから▼
『君とソラが泣いた日に』/BOOTH
*商品ページでは試し読みが可能です
お付き合いありがとうございました!
ではでは。
藤咲でした。
いいねを押してもらえたり、X(Twitter)等で記事の共有をしてもらえたりすると大変励みになります!




コメントしてみませんか?